日々の妄想日記やSSSばかり…
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「へぇー、あんたがあの千石さん?俺が噂の立海二年エース、切原赤也っス。」
恋なんて、落ちるものではなくて落とすものだと思っていた。
「……お手合せ、お願いできます?」
この時、までは。
眼差し
人懐こい微笑を浮かべ、口元は緩やかなカーブを描いているが、目がそれを裏切っていた。
どこまでも挑発的なそれは、見る者を惹き付け、拒絶している。
「んー、"あの"ってのと同じはわからないけど、そだよー!俺が千石清純☆よろしくね!」
油断して相手にしたら、一気に負けてしまいそうだ。
「で、試合してくれるんスか?それとも負けるのが恐くて…、逃げます?」
俺が見た目どおりに単純でな奴であれば、簡単にこの挑発に乗っていただろう。
「おぉー!よくわかったね。ここで切原くんに負けちゃったらかっこ悪いから、今回はごめんね?」
「はぁっ!?」
けれど、おちゃらけた態度はすべて、生きていく上で人間関係をスムーズにするためのもので。
「次の機会があれば、よろしくねー!」
「ちょっまっ…!」
その中で、テニスだけは本気になってしまうものだから、逃げる。ここで相手をしたら、今までのすべてが見破られてしまいそうな目をしていた。
後ろで悪態を吐く声が聞こえてくるが、決して振り返ったりはしない。いつもだったら。
「……潰してやるっ!」
振り返って見えたものは、やはりあの挑発的な眼差し。
その瞬間に俺は、捕らえられた。
**fin**
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