氷帝七不思議２☆

服装ヨシ！装備ヨシ！メンバー…ん？

「一人、足りないな。鳳、芥川さんはどうした？」
「えっ？あれっ…ほんとだ。どうしたんでしょうね、宍戸さん。」
「おーまーえーらー！俺の背中にいんのが見えねぇのかよ！！ほらっ！ジローも起きろ！」
「んぁー…。みんなおはよ～。」
「おはようございます！ジロー先輩。」
「今は『こんばんは』の時間ですよ。」
「っ何のんきにあいさつ交わしてんだ！！突っ込み所はそこじゃねぇだろ！ジローも起きてんなら下りろっ！！」
「…男のヒステリーは、醜いですよ？」
「醜いＣ～。」
「宍戸さんなら、どんなにヒステリーでも俺は着いて行きますから！」
「おっ前等！」

メンバーヨシ！
張り切る日吉に対して、鳳と慈郎はどこまでもマイペースで、宍戸は最初からすでに疲れている様子。
現在、部活が終了した一時間後の校門前。
なぜわざわざこんな場所に集合しなおしたのかと言うと、ただたんに日吉のこだわりだとか。

「……それにしても、その格好は…。馬鹿ですか？」
「なっなんだよ！！お前が目立たない格好をしてこいったんだろ！」
「確かに目立たねー！黒一色でくわっこＥ～。」
「ってか、お前等はなんで制服なんだよ！！」
「だって俺達学生じゃないですか。目立たないって言ったら制服かジャージだと思うんですが…。あっ！いや、別に宍戸さんが悪いっていうんじゃないですよ！」

集まったメンバーの服装は、日吉・鳳・慈郎は制服で、宍戸は黒のＴシャツに黒のパンツ、靴だけが白のスニーカーという出で立ち(宍戸はわざわざ一度家に帰って着替えてきた)。
逆にものすごく目立っていたりする。

「宍戸ー俺のジャージ貸してやろっかー？」
「あ！宍戸さん、俺もジャージ持ってますよ。」
「……お前等、体格の差が分かった上で言ってんのか？無理に決まってんだろ！こういうときは…。」
「……何見てんですか？はっ、俺が貸すわけないじゃないですか。」

ジャージを貸してやると言う二人、慈郎のは宍戸には小さすぎて、鳳のは大きすぎた。
だが、身長も同じ体格も似たり寄ったりの日吉に目を向けるも、ばっさりと切り捨てられる。

「っお前！！」
「…俺とヤル気ですか？ケンカなら負けませんよ？」
「え？いや、ちょっと待て！！」
「日吉！ダメだよ、素人相手に本気出しちゃ！」
「マジマジ！？やっちゃえ！！」
「……鳳、本気でやらないと相手に失礼だろうが。」
「！…そうだね、うん。宍戸さんっ、俺応援しますから頑張ってください！！」
「はぁ！？ちょっ…！！」
「ふっ…、戦わないで逃げる気ですか？」
「宍戸さんはそんなことしないよ！！」
「……まさか宍戸、逃げないよね～？」
「…………すいませんっしたー！」

ちょっとしたプライドから反抗してみた宍戸だったが、日吉とケンカをして勝てる自信はまったくない。確実にボコボコになる。
鳳の哀願の目と慈郎の呆れた目に見つめられながらも下した決断は、『降参』だった。

「……宍戸さん。」
「宍戸ってばつまんな～い。」
「はっ。手間、取らせないでください。」

宍戸は学習していた。この三人と一緒にいる時は、逆らったらその分だけ自分に返ってくると。…いや、もしかしたら何倍にもなって返ってくると。
鳳の哀れむような目と、日吉の勝ち誇ったような目には正直イラッと来る宍戸だったが、それよりもなによりも慈郎のつまらなそうな目が一番恐い。こいつは本気で戦わせるつもりだった。間違いない！

「まぁ、宍戸はほっていて早く行こ～う！めざせ第二音楽室！！」
「そうですね。宍戸さんなんかに油を売っているヒマはないんでした。俺達は例のなぞを解き明かさないと。」
「……宍戸さん、どんな宍戸さんだって俺は着いて行きますからね！」
「………もういっそのこと、俺を置いていってくれよ。」

ささやかな宍戸の願いは叶うことはない。だって、そういう星の下に産まれついてしまったのだから（←二度目）。




☆つづく☆




はい、前のお話の続きです。
沙羅ちょが気に入ってくれたらしいのでがんばってますが、まだ続きます。とりあえずブログでＵＰ。
まぁ、すでに沙羅ちょには読んでもらってるから意味のないＵＰかもだけど…。
完成したらちゃんとＵＰしなおします。