好きとはなんぞや！

「……芥川さんは、俺なんかのどこが好きなんですか？」

不機嫌そうに聞く日吉に、俺は怒った振りをしていつもの言葉を繰り返す。

「だから～全部好きなんだってば！いくら自分のこととは言っても、『なんか』とか言うなって。」

テニスや勉強、自分のことならきっぱりと言い切る日吉だったが、自分に向けられる想いにはどこか戸惑いを見せる。
今だってそう。不機嫌そうに見せているその裏では、不安がいっぱいなのだ。

「じゃあ逆に聞くけど、日吉は俺のどこが好き～？」
「……別に、好きじゃありません。」
「え～なにそれっ！俺はこんなに愛してんのに～。」

たぶんこれはほんと。まだ日吉から俺への気持ちは『好き』ではない。
だからと言って『嫌い』なわけでもない…と思う。

「……………嫌いではありません。」

うん、嫌われてはいない！
早く早く早く、俺のことを好きになってくれたらいいのに。
そんなことを思いながらも、今日もまた同じ言葉を繰り返す。

「日吉、大好きだよ！」







ジロちゃんは気付いてないけど、日吉はすでに好きに傾いてると思うよ！ツンデレなんだよ！！！